毎年、宿題の読書感想文に悩まされているという人は多いのではありませんか? 「宿題だから仕方ない」と義務感で書いているのでは面白くありませんね。 そこで、一念発起して入賞を目指してみませんか? それではどのような作品が入賞するのでしょうか。 ズバリ「審査員に『これは面白い感想文だ』と思わせることです。 実際に上位入賞を果たした作品を分析して、入賞するためのポイントを解説します。  

具体的にはどんな感想文が入賞するの?

突然ですが、みなさんは、作文を書くのが好きですか? 好きという人はあまりいないかもしれません。 しかし、入賞を目指すためには作文を好きになることが大切です。 入賞した作品を読めば分かりますが、随所に適切な表現が使われており読む人を感動させます。 どんなに文章が上手な人でも、何度も見直し、書き直さなければ入賞作品のように完成度の高い作文には仕上がりません。 作文が好きでなければ、何度も見直して書き直すことなどできませんよね。 そして、入賞作品にも見られるもう一つの特徴が「一度読んだだけで、意味が分かる」こと。 これはとても大切なことです。 なぜなら、審査員は数多くの感想文を読むため、一部でも読みづらい部分があるものは評価を下げてしまうでしょう。 主語と述語の関係や、文脈を考えないと「一度読んだだけで意味が分かる」作文には仕上がりません。 まずは、このことを念頭に置いて書いてくださいね。  

入賞するためにはどのくらいの文字数が必要なのか

中学生が学校で作文を書く場合、制限字数は原稿用紙4〜5枚、1600〜2000字程度が多いのではないでしょうか。 読書感想文全国コンクールの制限字数も2000字です。

2016年度入賞作品の文字数

では、実際に入賞作品の文字数を見てみましょう。 第63回、読書感想文全国コンクールで上位入賞した作品の文字数は以下の通りです。
入賞作品文字数 制限字数 割合
1989 2000 0.99
1972 2000 0.99
上から、中学生の部、高校生の部の入賞作品のものですが、 いずれも制限字数の99パーセント書いています。 つまり、制限字数いっぱいに書くことが入賞するための第一歩ということですね。

制限字数いっぱいまで書く秘訣

「制限字数いっぱいまで書くなんて無理!」「いつも字数が余っちゃう!」と思っている人、多いかもしれません。 コツがわかれば制限字数は怖くありません。

字数が足りない人が字数いっぱいまで書くコツ

字数が足りないという人にオススメの方法は、「最初に構成を考える」ことです。 第一段落〜第四段落までに何を書くかを決めておきましょう。 構成を考えるときは、「起承転結」を頭においてくださいね。 そして2000文字の場合は次のように文字数を振り分けます。 <例>
第一段落→250文字 第二段落→500文字 第三段落→500文字 第四段落→250文字
あとは、これを目安として文章を書けば良いのです。 文字数がどうしても足りないときは、第三段落の内容で詳しく説明できることはないかを探しましょう。 回りくどい表現を使って字数を稼ぐ人がいますが、審査員の目をごまかすことはできません。 減点の対象となる場合もあるので注意しましょう。  

字数が余る人が制限字数以内に納めるコツ

「いつも字数が余って、原稿用紙に書き切れない」という人も上記を参考にしてくださいね。 つまり、段落ごとの文字数を決めておいて、それにしたがって文章を書いていくのです。 「それでも余っちゃう」という場合は、内容を吟味してください。
  • 同じことを繰り返し書いていないか
  • 削除しても意味が通る部分はないか
  • 回りくどくないか
同じことを繰り返し書いていることに気がついたら、どちらか一方を削除しましょう。 また、「書くことができる」→「書ける」のような表現がないかを探すのも文字数を調整するにはよいことです。 不要な部分を削って制限字数以内に収めます。  

書き方の手順1.冒頭部分で読み手を引きつける

冒頭部分を書くときは、「読み手を引きつける」ことを念頭に置きましょう。 自分が本を読むときに、冒頭が面白くなければ読む気が起こりませんよね。 それは感想文でも同じです。 審査する人(読み手)が「これは面白そうな作文だ」と思うような書き出しを考えてください。 それでは、実際の入賞作品を見てみましょう。
第62回中学校の部 最優秀作品 読み終えた私の心に、嵐が去った朝の海のような、穏やかな安らぎが広がった。カラとフィリクスの新しい生活が、朝日のように輝くものであってほしいと、心から強く願った。
引用「読書感想文全国コンクール公式サイト」 http://www.dokusyokansoubun.jp/text62nd/tyu.html この部分を読んでみなさんは、「カラとフィリクスはどんな新しい生活を始めるのだろう。今までにどんな物語があったのだろう。」と思ったのではないでしょうか この先を知りたいと思わせて、相手を引き込む魅力的な導入部分です。 また、「これから自分は何について述べていくのか」を第一段落ではっきりさせることが大切です。  

書き方の手順2.内容紹介を簡潔に

第二段落では、内容を簡潔に紹介します。 どんな本なのかを読み手に知らせることが目的ですが、それと同時に自分の考えも述べていきます。それを主題として第三段落につなげていくのです。 では、具体例を見てみましょう。
 第62回中学校の部 最優秀作品 ケイの懸命の努力によって、珊瑚礁は十年間守られた。そしてカラは、エンジェルを助けた経験を通して、母の決意と自分への愛を知り、母の死を受け入れることができた。これからカラは、母の想いを胸に、父やフィリクスと、新しい夢に向かって航海を始めるだろう。イルカの群れの中で元気に泳ぐエンジェルを見送るカラに、幸せな毎日が訪れる予感がし、私の心はじんわりと温かくなった。 こんなケイと対照的な人物は、ジェイクの父親であるダギーだ。私利私欲に走り、自分さえよければいいという考えに固まっているダギーには、ケイの声は届かなかった。ケイが守った美しい珊瑚礁は、ダギーの底引き網で一瞬にして破壊されてしまう。どうしてこんなに身勝手なのだろう。カラの無念さと失望感が私の心にも突き刺さり、私の胸には抑えきれない強い怒りがこみ上げた。ダギーのような人間さえいなければと、強く思った。
引用「読書感想文全国コンクール公式サイト」 http://www.dokusyokansoubun.jp/text62nd/tyu.html 赤字部分で、二人の対照的な人物を取り上げて自分の考えを示していますね。 珊瑚礁を破壊してしまったダギーに対する強い怒りが表現されています。 本を読んで思ったことを書くだけで終わってしまう人が多いのですが、それでは、中学生の感想文としては物足りません。 入賞作品は、次のように続けています。
第62回中学校の部 最優秀作品 そこで私ははっとした。私はどうだろう。もちろん私も、自然を守る大切さはよく知っている。しかし、ケイやカラのように具体的に行動したことはない。知っているのに行動しない私に、ダギーを責める資格があるのだろうか。繰り返し自問しても答えは出ず、私は、どうすればいいかわからなくなった。
引用「読書感想文全国コンクール公式サイト」 http://www.dokusyokansoubun.jp/text62nd/tyu.html 赤字部分は、次の段落で述べる内容を示唆しています。 「どうすればいいかわからなかった『私』は答えを見つけられたのだろうか」 読み手の気持ちが、その部分に集中していきます。 ここでも、筆者は「読み手の気持ちを引きつけるテクニック」を使っています。 どうすれば、読む人がワクワクするのか、先を読んでみたいと思うのかを考えながら文章を書いていきましょう。  

書き方の手順3.主題を掘り下げていく

第三段落は、感想文の中心となる部分です。 ここでは、主題(テーマ)について自分の考えを述べていきます。 感想文の中心となる部分ですから、長くなる場合は他の段落を削ってでも書くようにしましょう。
第62回中学校の部 最優秀作品 そんな私に、進むべき道を教えてくれたのもカラだった。エンジェルが泳ぐ海を守ろうとするカラの強い願いは、最後にダギーにも届き、珊瑚礁はまた守られることになった。「真実はいつも目の前にあった。」と、カラの前で深く悔いるダギーに、私は一筋の希望の光を見た。そうか、これから始めればいい。「目の前にある真実」を見つめて、本当に正しいのは何かを判断し、するべきことを実行することが、私の進むべき道なのだ。そして気がついた。こうして一人一人が真実を見つめ、正しい行動を続けることで、環境破壊など私達が直面している数々の問題は、少しずつでも解決できるはずだと。小さなさざ波も、集まると大きな波となり、現状を変える強い力になる。とても難しいが、決してできないことではないと、カラは教えてくれた。 私は目を閉じて、自分に静かに問いかけた。私自身の「目の前にある真実」は何だろう。よく考えると、たくさん浮かんでくる。例えば、苦手なことに対して、最初からあきらめてしまうこと。嫌われるのが怖くて、本当の自分を隠してしまうこと。直すことは無理だと決めつけ、自分の短所を直視しない私の心の弱さが、はっきりと見えている。
引用「読書感想文全国コンクール公式サイト」 http://www.dokusyokansoubun.jp/text62nd/tyu.html 前の段落で示した主題「どうすればいいか分からなかった私が進むべき道は何か」を説明していますね。 後半の赤字部分で、さらに考察を深めています。 このように、主題がぶれないように内容を深く書いていくことが必要なのです。  

書き方の手順4.最終段落は作品から何を得たのかを書いていく

さて、いよいよ最終段落です。 最終段落では、今まで述べてきたことをまとめますが第一段落と同じような内容を書くのはよくありません。 内容は重複しないようくれぐれも注意してくださいね。 入賞作品の最終段落を見てみましょう。
第62回中学校の部 最優秀作品 しかし、カラが勇気をくれた。カラは現実という荒波を乗り越えて、新しい自分を見つけようとしている。私もやってみよう。行動しなければ何も変わらない。よりよい自分になるために、私はまず、ありのままの自分を、目をそらさずに見つめることから始めたい。そして、自分がすべきことをよく考えながら、できることから一つずつ取り組んでいきたい。失敗することもあるだろうし、変えられないこともあるはずだが、そうして悩み、立ち止まることが、生きることそのものであり成長であると信じて、一歩一歩進んでいきたい。
引用「読書感想文全国コンクール公式サイト」 http://www.dokusyokansoubun.jp/text62nd/tyu.html 赤字の部分に、筆者が作品から受けた影響がまとめられています。 今後どうしたいのかが明示してあり、読み手に強く訴えかける内容となっています。  

この記事のまとめ

入賞する作品に仕上げるポイントは以下の通りです。 文字数や文章力はもちろんですが、内容を充実させることが一番大切です。
冒頭で自分の感想を述べる 内容紹介を簡潔にする 主題(テーマ)を明示して内容を掘り下げていく 自分が本を読んで得られたことをまとめる

終わりに

さて、私は添削指導員の目で読書感想文全国コンクールの入賞作品を読んでみたのですが、読点が少し多いという以外には文章表現上、直すところはありませんでした。 このような文章を書くのは決して簡単ではないのですが、あきらめないでください。 文章は書けば書くほど上手になり表現も洗練されていきます。 たくさんの本を読んで語彙を増やすことで、読む人をうならせる文章を書けるようになります。 一度文章力をつければ一生の宝となり、進学や就職のときに役立つでしょう。 文章力を鍛えることは、自分の将来にプラスの影響を与えるということを知っておいてくださいね。 これから先みなさんは、入学試験や入社試験で、作文や小論文を書く機会があると思いますが、覚えておいてほしいことがあります。 それは、試験の時は最低でも8割、できれば9割以上書く必要があるということです。 実際、制限字数の5割以下だと採点されないこともあるのです。 日頃から作文を書くときには、制限字数いっぱいまで書くように心がけてくださいね。

-入賞する書き方

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