作文の書き方

読書感想文の書き出しを極めよう!

投稿日:2017年8月24日 更新日:

読書感想文の大切な要素の一つが「書き出し」です。
では、なぜ書き出しが重要なのでしょうか?
それは審査員がタイトルの次に目にする部分だからです。
書き出しに力を入れることで審査員の印象が良くなり、入賞に一歩近づくといえるでしょう。

それでは、入賞作品の書き出しを分析していきます。





 

パターンその1〜セリフ

小学生の作品でよく見られるのが「誰かのセリフ」を冒頭で書くという手法です。
これは、「これから何が始まるんだろう」というワクワクした気持ちを読み手に伝えることが目的です。
ですから、どんなセリフでもいいというわけではありません。
作品に出てきたセリフならば、自分が一番印象に残ったものを書きましょう。
身近な誰かが言ったセリフを書く場合は、感想文とどのように結びつくのかを明確にする必要があります。
 

小学校低学年

第62回小学校低学年の部 最優秀作品「まるちゃん大すき」

「うわあ、ダンゴムシがいっぱあい。」
はたけにくさむしりにいったら、そう大くんが見つけたよ。みんなで手にのせてさわっていたら、せなんくんが、
「ダンゴムシってなにをたべるのかなあ。」
っていった。かなちゃんが、
「はっぱじゃないの。」
っていうから、わたしのとうもろこしがたべられちゃうってしんぱいになったよ。すぐに先生からずかんをかりて、ダンゴムシがなにをたべるのかをしらべたら、おちばをたべることがわかってあんしんした。そうしたら、もっとダンゴムシのことがしりたくなったよ。

<出典>
青少年読書感想文全国コンクール

http://www.dokusyokansoubun.jp/list.html

この作品では冒頭で友達がダンゴムシを見つけた時の様子を描写していますね。
「ダンゴムシのことを知りたくなった」理由を具体例で説明して、本論部分に結びつけています。
小学校低学年では、具体例だけで感想文が終わってしまうことがよくありますので注意しましょう。

小学校中学年

第62回小学校中学年の部 最優秀作品「『さかさ町』を読んで」
「えっ、何で?ふつうぎゃくちゃうん?」
『さかさ町』を読んで、わたしは友だちに言われたこの言葉を思い出しました。わたしの家では、お父さんが毎日朝ごはんを作ります。それを友だちに話したとき、とてもびっくりされたのです。そして、わたしも、友だちの家ではお母さんが朝ごはんを作っていることを知って、「えっ、何で?ふつうぎゃくちゃうん?」と思ったのです。
『さかさ町』では、いろいろなものがさかさまで、びっくりするような事が次つぎにおこります。たとえば、地下八かいだてのホテル、アイスクリームを口に入れて体温を計るびょういん、デザートから先に出てくるレストラン、品物といっしょにお金もくれるお店などです。はじめは、わたしも町のルールがわからなくて、リッキーやアンといっしょにドキドキしながら町をすすんで行きました。

<出典>
青少年読書感想文全国コンクール

http://www.dokusyokansoubun.jp/list.html

『さかさ町』を読んだ時に思い出した友人のセリフを冒頭で書いています。
『さかさ町』を読んだことのない人も、このセリフで内容がイメージできたのではないでしょうか。
具体例には、このように読み手に強く訴えかける効果があります。
ただし、「本論とあまり関係のない内容を書く」、「だらだらと長く書く」のは逆効果ですから気をつけてくださいね。
 

小学校高学年

第62回小学校高学年の部 最優秀作品「わたしにもできる」
「サマーのようになりたいな。」
わたしは、つぶやいた。サマーは、だれも近よろうとしないオーガストと毎日いっしょにランチを食べている女の子だ。
ビーチャー学園の生徒たちは、新しく入学してきたオーガストの顔にびっくりして、近づこうとしない。オーガストのことを「奇形児」とか「ゾンビっ子」とか呼んでいる。うっかりオーガストにさわってしまったら、三十秒以内にすぐ手を洗わないとペスト菌がうつってしまうという遊びまでしているのだ。もし、わたしが学校でオーガストのような子に出会ったら、きっとびっくりして怖いと思ってしまうだろう。わたしも、ビーチャー学園の生徒たちといっしょだ。なさけない。

<出典>
青少年読書感想文全国コンクール

http://www.dokusyokansoubun.jp/list.html

自分が、本を読んでつぶやいた言葉を冒頭に持ってきています。
この場合、「筆者は、なぜサマーのようになりたいの?」と読者に疑問を抱かせることが目的です。
読み進んで、読者の疑問が解決したときに「ああ、こういうことなのか」と納得させることができます。

このような手法を使うと、説得力のある感想文に仕上がります。

 

パターン2〜テーマ(主題)に結びつく感想を書く

さて、もう一つの手法として見られるのが、書き出しを「テーマ(主題)」の導入部分とすることです。
簡単にいえば、「テーマの予告」というわけですね。
この場合の書き出しは「自分がこれから書くことを方向づけて読み手に伝える」のが目的です。

 

中学生の部

第62回中学校の部 最優秀作品「『目の前の真実』を見つめて」
読み終えた私の心に、嵐が去った朝の海のような、穏やかな安らぎが広がった。カラとフィリクスの新しい生活が、朝日のように輝くものであってほしいと、心から強く願った。
カラの毎日は、荒れる海を想像させた。難読症と貧しさ、ジェイクからの執拗ないじめ。そして行方不明の母。つらい現実の波が、何度も何度もカラを打ちつける。母の死の予感を受け入れず、母がいなければ何もできないと心を閉ざしているカラ。私は、カラがおかれた境遇の厳しさに心を痛めながら、重苦しい気持ちでページをめくった。

<出典>
青少年読書感想文全国コンクール

http://www.dokusyokansoubun.jp/list.html

読み終えた時に嵐が去ったような、という表現から「主人公の身の上に、様々な困難な出来事が起こったんだな」ということが読者に伝わります。
そして、読者に「どんな困難な出来事が起こったんだろう。どうやって主人公は乗り越えたのだろう」という期待を抱かせますね。
このように書き出し部分では、読者が続きを読みたいと思わせる工夫が必要です。

 

高校生

第62回高等学校の部 最優秀作品「『知らない』ということ」
この本を読み終えたとき私は戸惑った。感想を述べようにも語るべき言葉が見あたらなかったのだ。筆者と年が近いから、この感情は「共感」なのだろうか。いや違う。彼の体験はあまりに壮絶で私のそれとは全く別物であるし、簡単に比べていいものではないと思う。では「悲しみ」や「憤り」はどうか。もちろん感じたが、これらは私の抱いた感情の一部分に過ぎない。読み終えてしばらくたってから気付いた。この複雑な感情の大部分は「恐怖」によって構成されているのだと。

<出典>
青少年読書感想文全国コンクール

http://www.dokusyokansoubun.jp/list.html

この作品では、書き出し部分で本を読み終えた時に自分が持った複雑な感情を「恐怖」だと分析しています。
さらに、本論部分では以下のような記述があります。

「知らない」この言葉こそあの「恐怖」の正体であった、日常でもよく使われるこの言葉のどこが恐ろしいのかと思うだろう。私もこの本と出会うまではそう思っていたし、たびたびこの言葉を使っていた。「知らない」という言葉は良くも悪くもとても便利だ。

<出典>
青少年読書感想文全国コンクール

http://www.dokusyokansoubun.jp/list.html

自分の恐怖の正体は「知らない」ことだと断言されています。
「知らない」ことが感想文の主題(テーマ)でありタイトルにもなっていますね。
このように、冒頭部分で本論や主題を予告するのも効果的です。




 

この記事のまとめ

 

書き出しをセリフにする場合

  • セリフの元になった具体例は短くまとめよう
  • 主人公のセリフを使う場合は一番印象的なものを選ぼう
  • 本を読んだ感想をセリフの形式にしてもよい

 

書き出しで感想文のテーマを予告する場合

  • 読み手が続きを読みたくなるような内容にする
  • テーマはダイレクトに書かない(結論部分と同じ内容になりやすいため)
  • 本論部分で書くテーマと繋がる内容にする

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