作文の書き方

読書感想文の最後(締め)を極めよう!

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読書感想文の最後(締め)は、書き出しと同じように大切です。
なぜなら、読み進めてきた審査員が結論部分を見て、最終的な評価を決めるからです。
つまり読書感想文の評価を左右すると言っても過言ではありません。

それでは、入賞作品の書き出しを分析していきましょう。



パターンその1〜具体例を踏まえた結論部分

小学校低学年、中学年によく見られるのが「体験談(具体例)をベースにした感想文」です。

体験談をベースにすると比較的書きやすいので、作文が苦手な小学校高学年のお子さん、中学生にもオススメです。

 

小学校低学年

第62回小学校低学年の部 最優秀作品
「まるちゃん大すき」
わたしは、ダンゴムシのまんまるになるところと、手にのせるとちょこちょこのぼってきて、くすぐったいけどかわいいところが大すき。まるちゃんがたびのときにひっくりかえったときも、水てきにはまったときも、だっしゅつできたのは、からだをまんまるにできるからなんだね。それから、なぜおちないのかなあとおもっていたら、あしの先につめがあったよ。だから、ありにとおせんぼされたときも木からおちなかったんだね。
まるちゃんのことがわかったから、ますますかわいくなったよ。みんなにもおしえてあげたいな。たびのじゃまをしないようにするから、これからもときどきさわらせてね。

<出典>
青少年読書感想文全国コンクール
http://www.dokusyokansoubun.jp/list.html

この作品は序論部分で「畑でダンゴムシに触った体験」、本論部分では「本の内容説明」がされています。
結論部分では「ダンゴムシのどんなところが好きなのか」が詳しく書かれています。
そして、最後の2文で、ダンゴムシが自分の友達であるかのように語りかけ、読者に自分の思いを強く訴えかけていますね。
 

小学校中学年

第62回小学校中学年の部 最優秀作品
「『さかさ町』を読んで」
わたしの家では、お父さんが朝ご飯を作ってくれるおかげで、お母さんはきめられた時間までにし事場に行くことができます。友だちの家のように、これとはぎゃくの家もたくさんあるけれど、この本を読んで、どちらも正しいと思えるようになりました。これからは、自分が「さかさ」だなと思っても、自分の考えだけが正しいと思わずに、あい手の立場に立って、「さかさ」を楽しみたいです。

<出典>
青少年読書感想文全国コンクール

http://www.dokusyokansoubun.jp/list.html

この作品は、冒頭で「私の家では父親が毎日朝ごはんを作っているという話をしたら、友達に普通は逆だといわれた。しかし私は友達の家が逆なのだと思った。」という体験談が書かれています。
この感想文は体験談をベースにして「友人の話に疑問を感じたが、本を読んで解決できた」ことを述べています。
「自分が本を読んで何を学んだのか、どのように成長したのか」が明確に表現できていますね。
このテクニックを使うと読む人を納得させる感想文に仕上げることができます。
しかし、そのためには、具体例を厳選する必要があります。

 

パターンその2〜冒頭で示したテーマ(主題)を詳しく書く

小学校高学年、中学生、高校生によく見られるのが、冒頭でテーマ(主題)を示し(あるいはほのめかし)、テーマを基本として感想文を組み立てる方法です。

なお、このような構成の感想文の場合、テーマ=タイトルの場合が多い傾向にあります。
 

小学校高学年

第62回小学校高学年の部 最優秀作品
「わたしにもできる」
野外学習の夜をきっかけに、大変化が起きた。オーガストを化け物あつかいする他校の上級生に、ジャックだけでなく、それまでジュリアンの手下だと思っていたエイモス、マイルズ、ヘンリーまでもが立ち向かっていったのだ。そして、学園中のみんながオーガストを「相棒」と呼ぶようになった。不思議がるオーガストにママが「人には、びっくりするようなことが出来るのよ。」と言った。これが「ワンダー」という題の意味だったのだ。
そうだ。わたしにもできるんだ。見かけにとらわれない強い心の持ち主になることが。

<出典>
青少年読書感想文全国コンクール

http://www.dokusyokansoubun.jp/list.html

冒頭で「サマーのようになりたいな。」と筆者はつぶやいています。
次の段落では、なぜサマーのようになりたいのかが説明されています。
「サマーだけが、見かけにとらわれない強い心の持ち主」、最初はそう思っていた筆者ですが、本を読み進めていくと他の人たちもサマーと同じような強い心を持っていることが明らかになっていきます。
そして他の人たちがなれたように、自分もサマーと同じような強い心の持ち主になれるという結論に至りました。
それを端的に表現したのが最後の一文です。
冒頭のつぶやきと、最後の一文を比較しただけで、筆者が本を読んで学び、成長したことが伺えますね。
 

中学生

第62回中学校の部 最優秀作品
「『目の前の真実』を見つめて」
私は目を閉じて、自分に静かに問いかけた。私自身の「目の前にある真実」は何だろう。よく考えると、たくさん浮かんでくる。例えば、苦手なことに対して、最初からあきらめてしまうこと。嫌われるのが怖くて、本当の自分を隠してしまうこと。直すことは無理だと決めつけ、自分の短所を直視しない私の心の弱さが、はっきりと見えている。
しかし、カラが勇気をくれた。カラは現実という荒波を乗り越えて、新しい自分を見つけようとしている。私もやってみよう。行動しなければ何も変わらない。よりよい自分になるために、私はまず、ありのままの自分を、目をそらさずに見つめることから始めたい。そして、自分がすべきことをよく考えながら、できることから一つずつ取り組んでいきたい。失敗することもあるだろうし、変えられないこともあるはずだが、そうして悩み、立ち止まることが、生きることそのものであり成長であると信じて、一歩一歩進んでいきたい。

<出典>
青少年読書感想文全国コンクール

http://www.dokusyokansoubun.jp/list.html

冒頭で述べられているのは、主人公が様々な困難に立ち向かっているという内容です。
結論部分では、「主人公が自分にくれた勇気が、今後の自分にどのような影響を与えるのか」が書かれています。
このように、「本を読んで学んだことが、自分にとってどんな意味があるのか」を説明すると、重みのある感想文になりますね。
このテクニックは、読書感想文を書くときにぜひ使ってみてください。
 

高校生

第62回高等学校の部 最優秀作品
「『知らない』ということ」
「知らない」この言葉こそあの「恐怖」の正体であった、日常でもよく使われるこの言葉のどこが恐ろしいのかと思うだろう。私もこの本と出会うまではそう思っていたし、たびたびこの言葉を使っていた。「知らない」という言葉は良くも悪くもとても便利だ。「知らない」と言えば、それが単純に認識していなかったからであるのかあえて認識することを避けていたからなのかなんて相手には知る由もない。まして、何か不都合な事実から逃れようとしたならば、たった一言で自らすら欺くことさえできてしまうのだ。ユダヤ人が迫害されている不条理な世界を「知らなかったんだ」と一言言って自分の世界から切り離すことで知る努力を放棄した自分自身を全ての人の目から隠したのだ。ユダヤ人であることが罪であるなんていう変な話を一蹴することができない臆病な自分を見たくないからユダヤ人と関わるのを避け「知らない」という鎧で保身に必死になった。加熱する一部と「知らない」と遮断する大部分、これこそが迫害や差別の決定的な原因なのだ。終戦によってユダヤ人に対する差別や迫害も終わったものだと思っていた。でも現実は違った。人は現状がうまくいかないとその理由づけとして他者と自分の違いを探そうとするものなのだろうか。戦後の貧困などの腹いせにユダヤ人を迫害した。それ以外でも肌の色や障害、宗教などあらゆる違いを見つけては批判する事態は今でも存在し続けている、そんな無意味な流れを自らの辛い体験を語ることを持ってしてとめようとする筆者のような人々のことを知るべきだ。もう「知らなかった」では通用してはいけないのだから。

<出典>
青少年読書感想文全国コンクール

http://www.dokusyokansoubun.jp/list.html

筆者は、冒頭で読後感を「恐怖」という言葉で表しています。
そして、恐怖を感じた理由を分析し、「知らないからこそ、恐怖を感じる」と結論づけていますね。
つまり冒頭で示唆した言葉をテーマとして追求し、結論部分で明らかにするという構成です。
最後に、自分を含めて人々はどうするべきなのかが書かれており、本を通して何を学んだのかが書かれています。
このような感想文は、最初からしっかりした構成を考えることが必要です。
難しいかもしれませんが、チャレンジしてみませんか?




 

この記事のまとめ

以上、結論部分の2パターンについて、説明させていただきました。
それぞれのパターンの典型的な構成は以下の通りです。
参考にしてくださいね。
 

具体例を踏まえた結論部分を書く場合

  • 序論部分で具体例を挙げる
  • 本論部分で本のあらすじと、それに対する自分の思いを書く
  • 結論部分で具体例から学んだことを本の内容と結びつけて述べる

 

冒頭で示したテーマ(主題)を結論部分で詳しく書く場合

    • 第一段落でテーマを示す
    • 第二段落であらすじをとそれについての考えを簡単に書く
    • 第三段落でテーマを元にして内容を掘り下げていく
    • 第四段落でテーマについて結論を述べる(本を読んで学んだこと、自分の成長などに焦点を絞る)

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