人権作文の書き方をプロが事例で紹介

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人権作文の書き方をプロが事例で紹介

中学生の夏休みの宿題になる全国中学生人権作文コンテスト。

人権というと難しい気がしますが、実はとても身近な作文です。

今回は、プロが書いた作文例を元にその書き方のポイントを解説していきます

ぜひ、参考にしてくださいね。

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人権作文の基本

中学生の夏休みの宿題になる人権作文。

公民で基本的人権を習ったので、自分たちの身近にある人権について作文にしてみようというのがコンセプトです。

人権作文の主催は法務省

中学生人権作文コンテストの主催は法務省と、全国人権擁護委員連合会です。応募総数は95万から97万(平成26年度から平成29年度)で、入賞を果たすのは狭き門となっています。
地区大会で推薦されたものが中央大会の審査会で審査され、入賞が決まります。
なお、応募締切は9月上旬、表彰日は12月上旬です。

人権作文の文字数は?

人権作文の文字数は学校名、氏名、題名を除いて400字詰め原稿用紙5枚以内です。
5枚以上の場合は審査の対象となりませんのでご注意を。

入賞作品の文字数です。

  文字数 %
みんなと一緒に高校生になる 1864 93.2
知的障害者の災害時の避難 1921 96.1
地球人でええやんか 1882 94.1

入賞を目指すには最低でも90パーセント以上書くようにしましょう。

人権作文で入賞するには何について書けば良い?

平成29年度は、全体の37.7パーセントがいじめを題材にしています。
しかし、入賞作品には「いじめ」をテーマにしているものは殆どありません。
他の人と同じテーマは内容も同じようなものになってしまう場合が多いため、せっかく書いても「オリジナリティがない」と判断されてしまう可能性もあるのです。
したがって入賞を目指す場合は「いじめ」以外のテーマを選んだ方が無難と言えましょう。
テーマが決まらない場合は、インターネットなどで人権について調べてみましょう。調べた事柄と自分の身近なことを結びつけて考えると良いです。

人権作文の書き方も含めてこのコラムを書いた高橋純子先生が添削をしてくれます。
ママペディア添削サービス

人権作文例

「車椅子の生活で学んだこと」

 昨年の冬休み、荷物を持って家の階段を降りていた時のことである。いきなり「ブチッ」という鈍い音がしたかと思うと足が動かなくなってしまった。這いずるようにリビングに行き、母に助けを求めた。すぐに、病院に連れて行ってもらったが「肉離れ」と診断され松葉杖の生活を余儀なくされることとなった。
 自分の足が思うように動かないことが、こんなに辛いこととは思わなかった。まず、家の中の5センチほどの段差ですら乗り越えることができない。松葉杖を使えばどうにか歩けるが、長く使っていると腕や脇の下が痛くなる、というわけで私は、家の外にはあまり出なくなった。幸い冬休みだったが、学校のある時期だったらと考えると今でもゾッとする。
 あまり家の中ばかりにいてもよくないということで、何度か両親にショッピングセンターに連れて行ってもらった。松葉杖では長く歩くのは辛いのでショッピングセンターの車椅子を借りた。初めて車椅子に乗ったのだが、この時思いもかけないことが起こった。それは、人の視線。珍しいものを見るかのような目で多くの人がこちらを見つめていたのである。スーパーマーケットなど身体障害者用のスペースに車を停めた時にも周囲の人が一斉にこちらに目を向けるのを感じた。人の視線を痛いと感じたのは、これが初めてだった。
 その時、私はハッとした。自分は車椅子に乗っている人をジロジロ見ていたことはなかったろうか、身体障害者用のスペースに車を停めた人に注目したことはなかったろうかと。今まで、私が何気なく見つめていた車椅子の人たちは、今、私が感じていたような視線で辛い思いをしていたのではないだろうか。人は、その立場にならないと、相手の本当の気持ちはわからないというが、まさにその通りである。しかし、私をジロジロ見ていた人たちは、きっと悪気はなかったのだろう。自分自身もそうだったからである。
 そして、私を見ている人の目が二種類あることに気がついた。一つは興味本位、あるいは無意識に見ているだけの人。そしてもう一つは、「この人は何か困っていることはないか、困っていたら助けよう」という人の目だ。私は、「何かあったら助けたい」そう思っている人を心から尊敬し、感謝の気持ちでいっぱいになった。
 私の車椅子、松葉杖生活は2週間、ちょうど冬休みの期間中だけで終わったが、その間に大きなものを得た。それは、「車椅子に乗っている人を見かけたら、この人は困っていることはないかと考えること」である。実際に、先日、バスに乗り込もうとしている車椅子の人を手助けできた。
 相手の立場に立ってものを考えることは難しいが、この経験を通して車椅子の人に限らず、困っている人がいたら手を差し伸べることがいかに大切なのかを学んだ。私は車椅子の生活を通して成長できたと実感している。

人権作文書き方のポイント

人権作文〜何を書けばいいか

作文で一番大切なのはテーマ選び。
人権作文は、夏休みの宿題として出されることが多いので、夏休み前半はテーマ探しをします。執筆するのは後半に入ってからにしましょう。

人権といっても難しく考えることはありません。
たとえば過去の体験、友人、街中で見かけた人、テレビドラマ、雑誌、本で読んだことなどで、テーマに使えそうなものはないか探してみてください。
私は、数年前実際に肉離れを起こし松葉杖、車椅子で生活したときのことを思い出して書いてみました。人々の視線が痛いと感じたのも実体験です。

人権作文〜構成

テーマが決まったら構成を考えます。それでは、実際に構成を検証してみましょう。今回の作文は序論、本論、結論の三段落で構成しています。

序論 具体例 肉離れで松葉杖、車椅子での生活を起こしたこと
本論 車椅子に乗っている人が感じる視線が2種類あることについての考察
結論 今後はどうしたいか、また実際に起こした行動についての説明

三段落の場合は、「序論部で具体例、本論部でそれについての考察、本論部でまとめ」という構成にすると書きやすいですね。

人権作文〜考察の仕方

考察ってどうすればいいの?と思う人は多いかもしれません。
作文における考察というのは、「自分が一番書きたいこと」です。
前出の作文の場合は「車椅子の人を見て、困っていたら助けようと思っている人を尊敬する」という点が一番書きたいポイントです。
ポイントを具体例から導き出せれば人権作文は書けたも同然。
あとは結論部分で書きたいことを詳しく書けば良いのです。
このテクニックは人権作文に限らず、全ての作文で使えますので覚えておきましょう。

入賞した人権作文の分析

最後に、平成29年度の人権作文の入賞作品を分析していきます。以下は全国中学生人権作文コンテストの文章を元に分析していますので合わせてご覧ください。

内閣総理大臣賞「みんなと一緒に高校生になる」を分析

第一段落 具体例 病気について
第二段落 具体例 高校に入りたい思いと現状
第三段落 「障害者差別解消法」について
第四段落 「電動車椅子の高校生になる」という決意表明

この作文は具体例が中心となっています。具体例を挙げて自分の病気と高校に進むことが難しいことを示し、打開策となるかもしれない新しい法律「障害者差別解消法」について表現、さらには自分の決意を表すという構成です。具体例が中心ですが、その中に自分の思いを込めて表現しているため説得力があります。読む人に「病気に負けないで、頑張って欲しい」と思わせる作文に仕上がりました。

法務大臣賞「知的障害者の災害時の避難」を分析

第一段落 具体例 弟の障害(自閉症)について
第二段落 災害が発生した時に自閉症の子どもを持つ家族は孤立してしまうという事実について考察
第三段落 孤立しないための解決案を提示
第四段落 自閉症の子どもがいることを地域の人に知らせていく必要性があると結論づける

自閉症の弟がいる筆者が、「自閉症の子どもがいると避難所に行けない」(人が寝ているときは静かにするなど暗黙のルールが守れないため)ということを知り、それを解決するにはどうすればいいのかを考察していくという内容です。解決策を考えるだけではなく、自分が今後すべきことについても言及しています。弟への愛情があふれる作文となりました。

文部科学大臣賞「地球人でええやんか」を分析

序論 具体例 地球人とはどういうことかの説明
本論 具体例 両親が自分と姉が困らないようにと起こした行動について
結論 自分が現状困っていないという点について言及

序論部では、外国籍の年配女性に、何人なのか?と不躾に質問されたことから、日本人である自分には日本、イギリス、ペルー、イタリアと多くの国の人の血が流れていることを知った筆者の思いが書かれています。本論部分では、両親が外国から来た人の子どもたち(自分の子どもも含む)が困らないように活動していたことが語られ、結論部分で自分は両親の努力の甲斐あって現在は何も困っていないことが示されています。彼女の思いは「地球人」という言葉に全て集約されていますね。

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