
みなさんは、読書感想文の題名をどのようにつけていますか?
「そりゃ、『〜(本の題名)を読んで』だよ!」
多くの人がそう答えると思います。
しかし、他の人と同じ題名では読書感想文を何千と読む審査員を惹きつけることはできません。
では、審査員の目にとまるような題名をつけるにはどうすれば良いのでしょうか?
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Contents
読書感想文受賞作品の題名を分析してみよう
まずは、読書感想文コンクールの入賞作品がどのような題名をつけているのかを見てみましょう。
2016年度の入賞作品は以下の通りです。
小学校中学年の部「『さかさ町』を読んで」は一般的なものですが、他の作品のタイトルは個性的でバラエティーに富んでいますね。
※学校によっては題名を「〜を読んで」に統一してくださいと言うところもあるそうです
●「まるちゃん大すき」:「ダンゴムシの親子:まるちゃん、たびにでる」(旺文社)
小学校中学年の部
●「『さかさ町』を読んで」:「さかさ町」(岩波書店)
小学校高学年の部
●「わたしにもできる」:「ワンダー」(ほるぷ出版)
中学生の部
●「『目の前の真実』を見つめて」:「白いイルカの浜辺」(評論社)
高校生の部
●「『知らない』ということ」:「シンドラーに救われた少年」(河出書房新社)
<出典>
青少年読書感想文全国コンクール
http://www.dokusyokansoubun.jp/list.html
題名には自分の考えや思いを入れよう
読書感想文コンクール入賞作品の題名を分析していくといくつかのパターンが見えてきます。その1つが、自分の考えや思いを題名にすると言うパターンです。
まるちゃん大好きと言う題名の例
小学校低学年の部「まるちゃん大すき」がこれにあたります。
「まるちゃん」とはダンゴムシのことです。
結論部分での自分の思いがそのまま題名になっています。実際にダンゴムシを触った経験から、どんなところが好きなのかがよく表現できていますね。
<出典>
青少年読書感想文全国コンクール
わたしにもできると言う題名の例
小学校高学年の部、「わたしにもできる」も同様です。
この作品の結論部分を見てみましょう。倒置法を用いた印象的な結びとなっています。
<出典>
青少年読書感想文全国コンクール
2つの作品は本を読んで一番強く感じたことを題名にしています。これには、本がどんな内容なのか先を知りたくさせる効果があります。
題名にはテーマ(主題)を入れよう
中学生の部、高校生の部は、本のテーマ(主題)を題名にしています。単に自分が感じたことではなく、一歩踏み込んだ内容から題名をつけているわけです。
目の前の真実を見つめてと言う題名の例
さて、中学生の部、「『目の前の真実』を見つめて」は後半部分で次のように書かれています。
<出典>
青少年読書感想文全国コンクール
「真実はいつも目の前にあった。」という登場人物の言葉からテーマを読み取り、タイトルにしたというわけです。この辺りが小学生にはない上級テクニックです。
知らないということと言う題名の例
高校生の部「知らないということ」は、自分がホロコーストに恐怖を感じていた理由を「知らなかったからだ」と分析し、主題としています。
<出典>
青少年読書感想文全国コンクール
迫害や差別の原因も「知らない」からだと結論付けられていますが、その内容を端的に表す題名となっています。
他に印象的な題名のつけ方は?
実は、読書感想文入賞作品の題名はこの2パターンであることが圧倒的に多くいわゆる王道パターンです。
ただ、読書感想文は入賞することがすべてではありませんよね?そこで、その他の題名のつけ方をまとめてみました。
〜を読んでの応用パターン
上の題名はすべて簡単にいうと「走れメロスを読んで」と言うことです。が、少々エッセンスを加えるだけでなかなか魅力的な題名になるので活用してみてください。
本主体ではなく体験主体で題名をつける
読書感想文なので、本を主体として題名をつける(〜を読んでのパターンはまさに典型)のが基本ですが、あえて自分の体験を主体に題名をつけるという方法があります。
感謝がテーマの本の題名例
夢がテーマの本の題名例
友情やいじめがテーマの本の題名例
主人公の名前を題名に入れる
主人公の名前を題名に入れることで、作品がより身近に感じられ、読み手がその先を読みやすくなります。
特に、主人公と自分の共通点を見つけてあげると、読書感想文自体もとても書きやすくなります。
印象的な題名をつけるには?
最後に、入賞作品のように印象的な題名をつけるにはどうしたら良いのか見ていきましょう。
題名は最後に決めること
自分の書いた読書感想文を読み返して見て、題名に使えそうな言葉を探します。自分が印象に残ったことや、その本のテーマ(主題)に関係ある言葉を選ぶと、審査員に強く訴えかけることができます。
題名は12文字以内で
あまり長い題名は印象がよくありません。もっとも伝えたいことをもっとも短く表して題名をつけましょう。
題名は名詞かセリフで終わること
体言止めという表現技法があります。これを使う理由は、響が良いからです。題名付けにおいて、この響はとても重要です。ですから、名詞で終わることを意識してみてください(〜こともOKです)。
ただ、セリフや感情の云い切りは、先を知りたくさせる効果があるので例外です。
このように、読書感想文の題名1つとってもこれだけテクニックがあります。良い読書感想文を書くには王道パターンを真似るのが1番です。ぜひ参考にしてみてください。
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